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こんにちは。Halmie CAR BLOG の Halmie(ハルミィ)です。
冬には、スタッドレスタイヤを装着するという方は多いのではないでしょうか。雪国の方はもちろん、それ以外の地域の方でも路面凍結に備えて装着しておくと安心ですよね。
いざ、装着しようとした時、「このスタッドレスタイヤまだ使えるの?」「どのスタッドレスタイヤを選べばいいの?」等々、スタッドレスタイヤへの疑問はあると思います。
今回は、そんなスタッドレスタイヤの基礎知識から運転の仕方、寿命の見分け方、購入時の選び方をご紹介します。

スタッドレスタイヤの基礎知識
スタッドレスタイヤとは、冬用タイヤの一種で、積雪路や凍結路でも高いグリップ力を発揮し滑りにくいタイヤです。
一昔前は、路面の積雪や凍結時にはタイヤチェーンを装着するのが一般的でした。しかし、タイヤチェーンは装着が煩雑で、積雪路や凍結路以外では速やかに外す必要がある等の面倒な点がありました。

そこで、1980年代になるとドレッド面に金属の鋲(スパイク)が打ち付けてあるスパイクタイヤが広く使用されるようになりました。スパイクタイヤは乾燥路でも走行可能でしたが、アスファルトを削り粉塵を巻き上げる公害を発生させることから、現在では法律で使用が禁止されています。

そして、1990年代頃に登場したのが、Studless tire (= 鋲が無いタイヤ )です。スタッドレスタイヤには金属の鋲は無く、ノーマルタイヤ同様にゴムでできているため、スパイクタイヤの問題を克服していました。積雪路や凍結路はもちろん、乾燥路も走行可能なため大変便利な冬用タイヤです。

ノーマルタイヤとの違い
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤとでは、ゴムの素材やドレッドパターンの違いがあります。
ゴム素材の違い
スタッドレスタイヤには、低温になっても硬くなりにくいゴムが使われており、ドレッド面が柔らかいことで路面との高い密着性を維持できるようになっています。

ドレッドパターンの違い
スタッドレスタイヤのトレッド面の特徴としては、ノーマルタイヤよりも深い溝があり、一つのブロックには細かな切れ込み(サイプ)が施されています。積雪路では踏み固めた雪を深い溝で捕らえ、凍結路では細かな切れ込みの角で氷の路面を捕らえてグリップ力を得ています。
ノーマルタイヤ

スタッドレスタイヤ

サイドウォール表記の意味
スタッドレスタイヤのサイドウォールには、次の様な表記がしてあります。
タイヤサイズ

写真の場合は、次の様な意味です。
225 / 50 R 17
225…タイヤ幅が225mmという意味です。
50…扁平率50%という意味です。扁平率はタイヤの厚み(タイヤ断面の高さ)を表します。タイヤ幅に対して50%の厚みという意味で、この場合はタイヤの厚みが112.5mmとなります。
R…ラジアルタイヤ(ラジアル構造)であることを意味します。ラジアルタイヤとは、タイヤを支える繊維層がタイヤの中心から放射線状(ラジアル状)に配置された構造のタイヤです。操縦性と安定性に優れ、燃費性能や耐磨耗性能にも優れており、高速域での乗り心地もよいという特徴があります。
17…リム径が17インチという意味です。
ロードインデックスとスピードレンジ

タイヤサイズの後ろにロードインデックス(荷重指数)とスピードレンジ(速度記号)が表記してあります。
写真の場合は、94がロードインデックスで、Qがスピードレンジになります。
ロードインデックスとは、荷重指数とも言われるように、規定の条件下でタイヤ一本が支える事ができる最大負荷能力を示す数値です。その車両の適正なロードインデックスは、空気圧等と共に車両に貼ってあるステッカーに表記してある場合があります。(表記されていないメーカーもあります)ロードインデック94は、タイヤ一本が670kgまでの負荷に耐えられるという意味です。
スピードレンジとは、タイヤが規定の条件下で走行できる最高スピードを示す記号です。スピードレンジを超えたスピードで走行すると、タイヤのバーストやコントロールが利かなくなる等、危険な状態となる可能性があります。スピードレンジQは、走行できる最高速度が160km/hであることを示しています。ほとんどのスタッドレスタイヤのスピードレンジは、Qとなっています。
製造年週

写真の場合、“5021”が製造年週です。始めの二桁が製造週を意味し、後ろの二桁が製造年を意味します。つまり、2021年の50週目に製造されたという意味です。
この製造年週は、タイヤの寿命の判断材料になります。通常、スタッドレスタイヤの寿命は使用を開始してから3~4年とされています。(使用環境・保管環境により変動あり)
購入年=製造年ではないことには注意が必要です。メーカーで新品の状態で保管されているタイヤは、製造から3年以内であれば品質に問題なく使用できることが実証されています。そのため、新品で購入したタイヤが2年程度前に製造されたタイヤだったということもあります。
新品でも、製造から10年が経過したタイヤは使用できないとされています。
STUDLESS表記

スタッドレスタイヤには、サイドウォールに“STUDLESS”の表記がされています。この表記によってもノーマルタイヤと区別することができます。
M+Sマーク

MはMAD(泥)、SはSNOW(雪)を意味していて、ぬかるみや雪道にも対応した性能を有するタイヤにこの表記がしてあります。
スノーフレークマーク

スノーフレークマークとは、ASTM(米国試験材料協会)規格で、厳しい寒冷地でも十分に性能を発揮することができるタイヤに、その証として表記してあります。
↑マーク

スタッドレスタイヤのウォール(側面)には、スリップサインの位置を示す△マークとは別に↑マークも表記されています。
この↑マークは、溝の減りを知らせるプラットホームの位置を示しており、このマークの延長線上のトレッド面にプラットホームがあります。

スタッドレスタイヤのメリット・デメリット
着脱が面倒なチェーンと比べて、そのまま積雪路や凍結路も走れる便利なスタッドレスタイヤですが、いくつか注意点もあります。
そのスタッドレスタイヤのメリットとデメリットは、次の通りです。
■メリット
- 雪道、凍結路でも安定して走行可能。
- チェーンを装着しなくてもよい。(チェーン規制時は装着が必要)
- 乾燥路面でも走行が可能。
■デメリット
- 冬季以外はノーマルタイヤへの換装が必要。(夏に使用すると磨耗が早くなる)
- 濡れた路面でグリップ力が落ちる。
- ノーマルタイヤに比べ燃費が悪くなる。
何と言っても一番のメリットは、スタッドレスタイヤひとつで乾燥路だけでなく、積雪路や凍結路も走れる点でしょう。
その反面、デメリットといえるのが運転の仕方とシーズン以外での取り扱い方に注意が必要なことです。詳しくは、次項のスタッドレスタイヤの運転の仕方とスタッドレスタイヤの保管方法でご紹介します。
スタッドレスタイヤの運転の仕方
スタッドレスタイヤは積雪路や凍結路で滑りにくく安定した走行が可能ですが、絶対にスリップしないわけではありません。実際に積雪路や凍結路を走行する際には、急な操作は避けて慎重に運転する必要があります。

具体的には…
・急発進せず、ゆっくりとアクセルを踏みながら発進する。
・スピードを出し過ぎないようにし、加減速はゆっくり丁寧に行う。
・急なハンドル操作はしない。カーブでは、余裕を持って十分に減速し、慎重にハンドル操作を行う。
・ブレーキは一度に踏み込まず、段階的にじわじわと踏む。
・十分な車間距離をとり、早めのブレーキ操作をする。
また、スタッドレスタイヤは乾燥路での性能はノーマルタイヤに劣るため、乾燥路においてもスピードの出し過ぎや急ブレーキや急ハンドル等に注意し、丁寧に運転する必要があります。
特に雨天時の濡れた路面では、グリップ力が低下するため、急ブレーキは避けて早めのブレーキ操作を心掛ける必要があります。
スタッドレスタイヤの保管方法
スタッドレスタイヤを長持ちさせるためには、冬以外はノーマルタイヤに換装して適切な方法で保管します。
もし、夏の気温が高い時に使用するとタイヤの磨耗が早くなりタイヤの寿命を縮めてしまいます。シーズンが終われば、スタッドレスタイヤは外して保管するようにしましょう。
保管場所
タイヤの劣化を進める原因は、紫外線と高温多湿な環境です。
保管する際は直射日光が当たらない風通しがよく乾燥した冷暗所で保管します。この時、タイヤカバーをしておくと、紫外線や湿気からより保護することができます。
保管の仕方
タイヤの保管の仕方(置き方)には、横置きや縦置きの方法がありますが、ホイール付きか無しかでその保管の仕方は変わります。
横置き
タイヤにホイールを装着したまま保管する場合は、横置きが適しています。ホイールを装着したまま縦置きで保管した場合、タイヤの一点にホイールの重量が掛かることになり、タイヤが変形してしまう恐れがあります。
タイヤを横置きにして重ねる場合は、ホイールとホイールが重なるようにします。こうすることで、タイヤの変形を防ぐことができます。また、カバーを掛けておくと紫外線や湿気からタイヤを保護することができます。

縦置
タイヤからホイールが外してある場合は、縦置きが適しています。タイヤ単体で横置きにすると、タイヤの側面に過度の負荷が掛かり変形する恐れがあるためです。
縦置きで保管する場合は、タイヤラックを使用すると安定して保管することが可能です。

スタッドレスタイヤの寿命の見分け方
スタッドレスタイヤは消耗品のため、いつかは寿命が来ます。では、スタッドレスタイヤの寿命はどのように判断すればよいのでしょう。

経年劣化
スタッドレスタイヤは、使用開始から3~4年が寿命と言われます。しかし、これは年数的な目安であり、使用環境や保管状況により前後する場合があります。
ゴムが劣化して、表面がひび割れていたり、トレッド面の柔軟性が失われて硬くなったりしたスタッドレスタイヤは本来の性能を発揮できない可能性が高いので使用を控えた方がよいでしょう。
また、新品のタイヤは、適切に保管されていれば製造から3年以内は性能の劣化はほとんどないことが実証されています。もし、新品で購入したタイヤが2年程度前に製造された物であったとしても問題ありません。
しかし、新品であっても製造から10年が経過したタイヤは使用できないとされています。
プラットホームの露出
スタッドレスタイヤには、スリップサインとは別にプラットホームがあります。

トレッドのブロックの高さ(溝の深さ)が、このプラットホームと同じ高さになり、プラットホームが露出するとスタッドレスタイヤとしての使用ができなくなります。
プラットホームは、トレッドのブロックが新品から50%磨耗すると露出します。積雪路でのグリップ性能を発揮するためにはブロックの高さが重要なので、プラットホームが露出したら交換するようにしましょう。
ただ、プラットホームが露出した段階では、まだ普通のタイヤとして乾燥路を走行することは可能です。しかし、次にスリップサインが出た場合(溝の深さ1.6mm)には、車検も通らないので安全のため速やかに交換が必要です。
スタッドレスタイヤの選び方
スタッドレスタイヤと一口に言っても、銘柄がたくさんあり迷いますよね。人によっても選ぶ際に重視したいポイントも違うと思います。
性能の選び方
性能表示はメーカーによって異なる場合がありますが、一般的には次の様な項目があります。
1.氷上性能
凍結路面でしっかりと止まったり、曲がったりできる性能です。
2.雪上性能
積雪路面でしっかりと止まったり、曲がったりできる性能です。
3.効き持ち
性能がどれくらい持続するか、いわば、スタッドレスタイヤの寿命の長さのことです。
4.ドライ・ウェット性能
乾燥路面や雨天時の濡れた路面で、しっかり止まったり、曲がったりできる性能です。
5.静粛性能
乾燥路を走行中にタイヤと路面の間で起こるノイズを軽減させる性能です。
6.低燃費性能
タイヤと路面との間の摩擦によるエネルギーロスを軽減するために、転がり抵抗を低く抑えて燃費をよくする性能です。
以上のように様々な性能がありますが、スタッドレスタイヤの性能はお住まいの地域の走行環境に合わせて選ぶとよいでしょう。
路面凍結が多い地域では氷上性能を重視し、積雪が多い地域では雪上性能を、雪が少ない地域や高速道路をよく走行する方はドライ・ウェット性能や静粛性能も重視するとよいでしょう。

サイズの選び方
スタッドレスタイヤのサイズの選び方は、基本的には純正で装着されているノーマルタイヤと同じサイズを選びます。これは、タイヤ外径が変わるとスピードメーターが狂ってしまうためです。
もし、スタッドレスタイヤに合わせるホイールのサイズが純正と違う場合は、タイヤ外径が純正と同じになるようにタイヤサイズを変更する必要があります。その場合は、タイヤ販売店の店員さんに相談するとよいでしょう。自分で計算する場合は、ネットに無料公開されているタイヤ外径計算サイトを利用すると便利です。
また、ロードインデックスが純正タイヤより低くならないように注意する必要があります。

価格による選び方
タイヤは、高額な消耗部品の一つです。スタッドレスタイヤも高性能になる程に価格は高くなります。
スタッドレスタイヤを使用するのは、1年の内でも冬の数ヵ月間だけです。できるなら、安く済ませたいという気持ちもありますよね。そういう場合は、最新モデルではなく型落ちのモデルを選ぶとお得な価格で購入できる場合があります。型落ちの高性能モデルなら、お得な価格でも安心を担保できます。
また、リム径が大きい程に価格も高くなります。スタッドレス用のホイールも購入する場合はインチダウンすると価格を抑えられる場合があります。その際は、タイヤサイズが変わるので純正タイヤと外径を合わせるように注意が必要です。
より価格を抑えたいという場合には、輸入タイヤも選択肢に入ると思います。とりわけ、アジアメーカーのスタッドレスタイヤは、国産や欧州産メーカーと比べても価格は安い場合が多いです。安い分、性能や安全性の面で不安を感じる方もいると思います。しかし、アジアメーカータイヤを使用している方の話を聞くと「普通に使える」といった話もよく聞きます。

まとめ
スタッドレスタイヤは、それ一本で乾燥路から積雪路、凍結路まで走行可能な便利な冬用タイヤです。
その性能の秘密は、低温でも柔らかさを維持できるゴムとトレッド面の溝の深さと切れ込みにあります。そのため、劣化によって硬化したり、50%以上磨耗したスタッドレスタイヤは本来の性能を発揮できないため交換が必要です。
劣化や磨耗を進めさせないためには、シーズンが終われば取り外して、紫外線や高温多湿を避けた環境で適切に保管することが大切です。
スタッドレスタイヤを購入する際には、住んでいる地域の走行環境に合った性能と車に適合するサイズのものを選びます。また、型落ちモデルを選んだり、ホイールとセット購入する場合はリム径をインチダウンしたりすると少し安く購入できる場合があります。
冬の運転には、冬用タイヤを装着して余裕を持って安全運転に注意しましょう。
ではでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


